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ゲーテとの対話 [書物]

部屋の片付けをしておりましたところ、思わぬところから「ゲーテとの対話」が出てきました。
岩波文庫から出版されている上中下の3巻。同時に、アルマ・マーラーの回想録「グスタフ・マーラー」も。
こういうときは、宇宙が何かを伝えようしているときです。
素直に受け止めて、目を通してみることが大事です。


ゲーテは、私の好きな作家・・・いえ、作家として、あるいは政治家として、あるいはコレクターとして好き、というよりも、ゲーテの思想が大好きです。思想家としてのゲーテです。小説よりも、戯曲よりも、詩よりも、彼の自伝である「詩と真実」が大好きです。

いつからそれほど慕っているのだろう、と過去を振り返ってみましたが・・よく分からない。

「若きウェルテルの悩み」は、中学生のときに読みました。理解できたかといえば、う~ん・・・。
むしろ私は、ヘッセが大好きでしたし、加えて、トーマス・マン。
ヘッセの「車輪の下」は、部屋が暗くなるのも気付かず、引き込まれて読んだ記憶があります。そして「デミアン」の衝撃。「少年のころの思い出」は、今では教科書でもお目にかかる名作ですが、これを初めて読んだときの感動は、なんとも言えず胸がキュンとするものがありました。読んだことのある方には、同感していただけるかと思います。大好きなものと、犯してしまった罪の大きさ、が美しく描かれています。
トーマス・マンは「ベニスに死す」から入って「トニオ・クレーゲル」、そして圧巻は「魔の山」でしょうか。
竹宮恵子さんや萩尾望都さんの漫画ファンの方には、おなじみのドイツの小説家、かもしれませんね。

なぜゲーテ?

ゲーテは私にとって、マーラーとシュタイナー、そしてユングと同質の事柄を教えてくれる人、という感覚が、いつしか私の心に宿っていました。
私にとっての、たくさんのしかもレベルの高いことを教えてくれる「先生」です。

師というのは、実際に出会った教師や先輩というものもありますが、時間・時代を越えた存在、というものもあります。
古代ギリシャ・ローマの時代から近代まで、プラトンからゲーテまで、よくぞ文字で残してくれたなと、心底ありがたいと思ったことが、これまでの人生のなかで何度もありました。
ゲーテの言葉に救われ、涙が止まらなかったこともあります。
こうした賢人たち、先達たちが、たくさんの言葉を、思想を残してくれていることは、まさに「光」です。


さて、この世の時間は無限ではないので、「ゲーテとの対話」全てをのんびりと読むことはできません。
ラインマーカーのある部分を飛ばし飛ばし読んでみました。
なるほど、メッセージがありましたよ。

皆様も、こんな感じの伝言がやってきたら、敏感に対応してみてください、ぜひ!

ちなみに「ゲーテとの対話」は、晩年のゲーテと共に過ごした著者であるエッカーマンが、その生活の様子を日記の形で残したものです。
ゲーテの言葉が丁寧に細かく残されている、貴重な記録です。
まるでテープに録音された内容を文字起こししたかのように、ゲーテが語りかけてきます。
自分の作品や広く芸術について多く語られていますが、人生哲学も垣間見られます。また、ゲーテの生活ぶりもよく伝わってきます。
ゲーテ邸の見取り図も載っていますよ。
ゲーテ風知的生活、を堪能できます。

それにいたしましても、エッカーマンは、すごい記憶力です。ここまで書けるものなのでしょうか。
マーラーの奥さんアルマ・マーラーとその前の恋人ナターリエ・バウアー=レヒナー(「グスタフ・マーラーの思い出」)も、マーラーの話したことをバッチリ書物に残しています。
よくこんなに覚えているな、と本当に感服します。
こういった存在は、賢人の隣に必ずいるものですね。
「ソクラテスの思い出」のクセノフォンもそうでしょうか。ただし、思想的魂的には、創作とはいえ、プラトンのほうがより高邁のようですが。

なんとも、次元の高い魂たちは、しっかりと相棒を携えて、生まれてくるのですね。
そのおかげで、私たちは、時空と次元を超えたメッセージをいただくことができるのです。

あ、そうそう。
バッハの奥さんアンナ・マグダレーナによる「バッハの思い出」も良いですよ。
こちらは、神、をとてもそば近くに感じますね。

語り尽くせません。
またどこかで。

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